数学の概念を分かりやすく説明する記事「整数編①」

注意:①~④まで基本性質を正しいかどうか証明しているので興味がある方は見てもらえればうれしいです。即興で証明しているので間違いがあるかもしれません。もし、間違いを指摘するコメントをもらえればうれしいです。

・目次

1、整数って何?

 ①なぜ、aが整数のとき、つねに -(-a) = a が成り立つの?

2、相等って何?

 ②なぜ、aが自然数のとき、a=aは成り立つの?

 ③なぜ、aとbが自然数のとき、a=b、b=aは成り立つの?

 ④なぜ、aとbとcが自然数のとき、a=b、b=c、a=cは成り立つの?

まとめ

 

1、整数って何?

 

 前の記事で自然数とは1からはじまって、2、3、4、5、……と限りなく続く数と分かったね。

 

 では、次は整数について話していこうと思う。

 

 ここで、考えてほしいことがあるんだ。自然数だけでは困ることがある。

 

 例えば、自然数のなかで計算すると引き算する時に問題があるんだ。

 

 つまり、小さい数と大きい数の引き算をするときなんだけど、例えば3-5とか6-7とかだね。

 

 答えが自然数にならないよね。これじゃ不便だよね。

 

 このときに出てくるのが整数なんだ。

 

 0と自然数1、2、3、…と自然数に”-”をつけた数-1、-2、-3、…を整数というんだ。

 

 ぼくたちは、この概念をインドから受け継いだ。自然数の間で引き算するときに自由にできないことの不便から整数が生まれたとされている。

 

 しかし、インド人たちは、この表現の意味するところを分析した。

 

 これには、「2だけの借り」つまり 現在でいうところの「-2」という答えがあるほうが非常に便利だということに気がついた。

 

 こうして、-1、-2、-3、…という数の概念が成立したと考えられている。

 

 1、2、3、…を正(プラス)の整数、-1、-2、-3、…を負(マイナス)の整数というんだ。

 

 だから、+aをプラスa、-aをマイナスaと読まれるんだ。

 

 つまり、正(プラス)の整数を+1、+2、+3、…と表すこともできる。

 

 だけど、それだと、計算する時にややこしくなるから略しているんだ。

 

 -1、-2、-3、…との対照をきわだたせたいときは、前に+をつけて、+1、+2、+3、…のように書くこともある。

 

 また、必要に応じて、0を+0、-0と書くこともあるんだ。

 

 このように使われた記号+を正号、-を負号、合わせて符号というよ。

 

 ちなみに僕はマイナスが嫌いだよ。だって、チョコレートが減っちゃうからね。

 

整数について分かったかな? では次に行こう。

 

2、相等って何?

 

 整数が1、2、3、… と0と-1、-2、-3、… であるということは分かった。

 

 じゃあ、=とか出たけどあれって何なのか気になるよね。

 

 あれは等号、相等関係、イコールって読むんだ。じゃあ、相等って何なのか説明するよ。

 

 相等とは二つのものが互いに等しいことだよ。

 

 例えば、aとbが同じ整数であるとしよう。aは2だったらbは2だね。2と2は同じだよね。

 

 つまり、aとbは同じ整数のときにaとbは等しいといって、a = b と書くんだ。

 

 逆にaとbは同じ整数のときに等しくないと表すのは≠を使うよ。

 

 例えば、aは2でbは3だったら2と3は等しくないからa ≠ bと書くよ。

 

 これが相等だよ。分かったかな?

 

 

①なぜ、aが整数のとき、つねに-(-a) = aが成立するの?

 

 つねに-(-a) = a は成立するとはどういう意味なのか。

 

 つまり、aが正であっても負であっても0であっても、つねに、この式が成り立つということなんだ。

 

 -(-a) = aがつねに正しくなるのか証明しよう。

 

 じゃあ、どうやって証明するか。

 

 ちょっと、考えてみて。

 

 -(-a) = aはつねに正しいと言っているんだ。じゃあ、逆にすると-(-a) = aはつねに正しくないとなるよね。

 

 もし、-(-a) = aはつねに正しくないと仮定しよう。何かおかしなことが起きるはずなんだ。じゃあ、やってみよう。

 

 -(-a) = a のaに1を入れてみよう。

 

 -(-1) = 1 になるよね。これは正しいよね。おかしくない? この仮定は矛盾しているよね。

 

 つまり、つねに正しくないは偽でつねに正しいことは真になって、ー(ーa)= a がつねに正しいことになるんだ。

 

 

②なぜ、aが自然数のとき、a = a が成立するの?

 

 じゃあ、成り立つか証明してみよう。

 

 a ≠ a が成り立つと仮定する。

 

 例えば、a=1とする。すると、1≠1になるよね。これは明らかにおかしいよね。これは矛盾している。

 

 つまり、a≠aが偽でa=aは真になる。

 

 だから、aが自然数のとき、a=aは成り立つんだ。

 

 分かったかな?

 

③なぜ、a、bが自然数のとき、a = b ならば b = a なの?

 

 じゃあ、成り立つか証明してみよう。

 

 a=1、b=1として考えてみよう。

 

 1=1ならば1=1が成り立つといっているのと同じだよね。②のときにa = aは正しいと証明された。

 

 つまり、1=1はa=aと表しているのと同じだよね。

 

 だから、自然数のとき、a=bならばb=aは正しいと言えるんだ。

 

 分かったかな?

 

④なぜ、a、b、cが自然数のとき、a = b、b = c ならば、a = cが成り立つの?

 

 じゃあ、証明してみよう。

 

 なぜ、a、b、cが自然数のとき、a=b、b=cならば、a=cが成り立つのか。

 

 まず、③でa=bならばb=aが成り立つことは証明された。

 

 だから、a、b、cが自然数のとき、a=1、b=1、c=1としたら、a=bが1=1だよね。つまり、②の証明でこれは成り立つ。

 

 b=cは1=1でこれも同様に成り立つ。

 

 じゃあ、a=cは1=1でこれも同様に成り立つことが分かるよね。

 

 だから、a、b、cが自然数のとき、a=b、b=cならば、a=cが成り立つんだ。

 

 分かったかな?

 

 ちょっと、難しい話になったね。これから、僕は全ての定理や基本性質が正しいかどうか証明してみようと思う。

 

 だから、間違っていると思ったらコメントしてくれるとうれしいよ。

 

 

まとめ

1、0と自然数1、2、3、…と自然数に”-”をつけた数-1、-2、-3、…を整数というんだ。

2、相等とは二つのものが互いに等しいことだよ。